ぴりおだです。
サッカーのACL(AFCチャンピオンズリーグ)って、どこの国が強いんだろう?
今回は、こんな素朴な疑問にサッカー観戦歴25年以上の私がお答えします。
- ACLは東高西低
- 代表が強い国は、ACLも強い
- 「4強」以外で強いのは、3ヶ国
目次
ACLは東高西低

東高西低とは文字通り、日本や中国、韓国、オーストラリアといった東地区の国の方が、サウジアラビアやUAEといった西地区の国よりも成績は良いという意味です。
この事実を明らかにするために、まずはACLの歴代優勝クラブを見ていきましょう。
ACLの歴代優勝クラブ
年度 | クラブ | 国 |
2002-03 | アル・アイン | UAE |
2004 | アル・イテハド | サウジアラビア |
2005 | アル・イテハド | サウジアラビア |
2006 | 全北現代 | 韓国 |
2007 | 浦和 | 日本 |
2008 | G大阪 | 日本 |
2009 | 浦項 | 韓国 |
2010 | 城南一和 | 韓国 |
2011 | アル・サッド | カタール |
2012 | 蔚山現代 | 韓国 |
2013 | 広州恒大 | 中国 |
2014 | ウェスタン・シドニー | オーストラリア |
2015 | 広州恒大 | 中国 |
2016 | 全北現代 | 韓国 |
2017 | 浦和 | 日本 |
2018 | 鹿島 | 日本 |
2019 | アル・ヒラル | サウジアラビア |
2020 | 蔚山現代 | 韓国 |
ACLがACLとして始まったのは、2003年です(第1回が2002-03という表記になっていますが、実際には2003年に開催されました)。
それまで行われていた3つの国際大会を発展的に解消させる形で、始まりました。
ACLについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
ご覧の通り、過去の優勝クラブはバラエティに富んでいるのですが、「国」の列を見ていただけると、
何となく、東地区の国の方が多いかな?
ということに、お気付きいただけるんじゃないかと思います。
国ごとのACL優勝回数
2020年までのACL優勝回数を国ごとに直してみると、東高西低の傾向はもっとよくわかるようになります。
国 | 優勝(回) |
韓国 | 6 |
日本 | 4 |
サウジアラビア | 3 |
中国 | 2 |
UAE | 1 |
オーストラリア | 1 |
カタール | 1 |
太字が、東地区に属する国です。
1位韓国、2位日本だけで、2020年までに18回行われた大会のうち、半分以上で優勝しています。
これをさらに東地区、西地区でまとめてみると、優勝回数の合計は、次の通りとなります。
- 東:13回
- 西:5回
東地区が圧倒的ですね。
まさに東高西低です。
西地区の優勝は初期の頃が多い
優勝回数で、東地区にダブルスコアを喰らっている西地区ですが、優勝している時期にも微妙なものがあります。
西地区の優勝は、大会初期に多いんですよね。
年度 | クラブ | 国 |
2002-03 | アル・アイン | UAE |
2004 | アル・イテハド | サウジアラビア |
2005 | アル・イテハド | サウジアラビア |
2011 | アル・サッド | カタール |
2019 | アル・ヒラル | サウジアラビア |
>>ACLを勝ち抜く難しさを、過去のJリーグ勢の成績から紹介
という記事の中でも少し触れているのですが、初期のACLは今よりもずっと注目度が低く、Jリーグなどもあまり本腰を入れていませんでした。
(Jリーグから出場した全チームが、グループリーグで敗退していた時期もありました)
ですので、この頃の優勝というのは、今とはまた違った味わいのあるものになります。
この時期を除くと、西地区の優勝は2011年と2019年の2回しかなくなりますので、東高西低の傾向はますます強くなります。
ACLで強い国
代表が強い国は、ACLも強い
代表チームが強い国は、ACLも強いです。
アジアで文句なしの強豪と言えば、次の4ヶ国。
- 日本
- オーストラリア
- 韓国
- イラン
この4ヶ国のうち、日本、オーストラリア、韓国の3ヶ国は、上の表でも紹介している通り、クラブでもACLで優勝経験があります。
- 韓国:6回
- 日本:4回
- オーストラリア:1回
オーストラリアは優勝回数1回と物足りなく見えるかもしれませんが、決勝進出の経験は2回ありますので、十分強いです。
優勝経験がないイラン
イランも代表チームは、昔から強いです。
日本がW杯初出場を決めた、1998年フランスW杯アジア第3代表決定戦の相手も、イランでした(「ジョホールバルの歓喜」とか呼ばれてる試合です)。
ただ、イランのクラブは、ACLでの優勝経験がありません。
ではイランのクラブは強くないのかというとそんなことはなく、決勝には2020年までに4度辿り着いてます(2007、2010、2018、2020)。
しかしながら、4度とも決勝で敗れ、優勝には届きませんでした(2007年と2018年はJリーグのクラブに敗れています)。
決勝進出回数は、全体の4位。
ACL決勝進出回数
国 | 決勝進出(回) |
韓国 | 9 |
サウジアラビア | 7 |
日本 | 5 |
UAE、イラン | 4 |
中国、オーストラリア | 2 |
カタール、タイ、シリア | 1 |
西地区だけに限ると、2位です。
ACLは、決勝に進出するだけでも大変な大会ですからね。
イランのクラブも、十分強いです。
4強以外に、ACLで強い3ヶ国
アジア4強以外の国で、ACLで強いのは次の3ヶ国。
- サウジアラビア
- UAE
- 中国
いずれの国も、複数回の優勝または決勝進出経験があります。
国 | 優勝(回) | 決勝進出(回) |
サウジアラビア | 3 | 7 |
中国 | 2 | 2 |
UAE | 1 | 4 |
サウジアラビア
サウジアラビアは、元々代表チームでも4強に引けを取らない実力国です。
4強にサウジアラビアを加えて、「アジア5強」と呼ぶこともあるくらいなのですが、2010年代は力に陰りが見えるので、本記事では外しました。
(ただ、2010年代終盤から復調の兆しは見えています)
しかしながら、クラブチームの方ではしっかり実績を残しており、2010年代も4度決勝に進出。
ACLでは、十分すぎるほど強い国です。
中国
中国は、2013年と2015年に広州恒大が決勝に進出し、いずれも優勝しています。
広州恒大は、2019年にもベスト4に進出。
こう書くと中国が強いというより、広州恒大だけが強いように見えてしまうかもしれませんが、2017年には上海上港もベスト4に進出しています。
決して広州恒大だけ、というわけでもありません。
実績を残しているのは限られたクラブだけ、というのはどの国も同じです。
日本も、4回の優勝のうち2回が浦和ですからね。
UAE
UAEは、優勝こそ第1回(2002-03)大会の1度だけですが、決勝には2010年代にも2度進出しています。
こちらもACLで強い国、と呼べるでしょう。
まとめ:ACLで強い国

本記事では、「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)で、強い国」について紹介してきました。
- ACLは東高西低
- 代表が強い国は、ACLも強い
- 「4強」以外で強いのは、3ヶ国
>>【サッカー】AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を徹底解説【歴代優勝クラブも紹介】
という記事でも紹介しているのですが、ACLでは2014年から、準決勝までは東地区と西地区に分かれて試合が行われています。
(決勝まで、東地区と西地区のクラブの対戦はない)。
そのため、厳密な話をすると決勝進出の価値が東地区と西地区で違う可能性があります。
東地区の方が西地区よりレベルが低かった場合、東地区で決勝進出したクラブでも、西地区ではベスト4にも残れないという可能性が存在しますよね。
その場合、東地区の決勝進出は、西地区のベスト4未満の価値ということになります。
東西のクラブが直接対決をする決勝では、東高西低の傾向がはっきりと現れているので、東西でレベル差がない、とは言えないかと。
ただ、それでも、
決勝に進出するということは、東西それぞれの地域でNo.1であることの証明にはなる
ということから、本記事では強豪を判断する上での指標の1つとして取り上げました。