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随筆
「合理的」という便利な言葉の使い方
そこそこの年月社会人をやっていると、「世の中には、こちらの常識の範囲からはみ出したヘンな人が割とたくさんいるな」ということがわかってくる。 深酒をして終電を逃し、会社で一晩明かした上に始業時刻になっても目を覚まさず、昼まで床で眠り続けてい... -
随筆
細かなプライドで髪を伸ばし始めた高校時代の後悔
「何か、人と違ったことがしてみたい」 高校生のとき、ふとそんなことを思った。でも、僕はへっぽこティーンエイジャーだったから、髪をショッキングピンクに染めるとか、耳と鼻と唇にピアスの穴をあけまくるとか、改造制服を着て恥ずかしいくらいイキり倒... -
随筆
家に帰って毎日泣いていた転校生と、彼を救ったクラスメイト
マンガやアニメや映画なんかで見かける、「転校初日の転校生の席に、人だかりができる」みたいな場面。 あれは非常に嘘くさい、と僕は思っている。 学生時代に僕も、数多の転校生を見てきた。しかし、あんな場面に出くわしたことはこれまで一度もない。自... -
随筆
そこはかとなく「帰省」に憧れていたあの頃
「帰省」と聞くと、何となく「長距離の移動」を思い浮かべてしまう。 でも実際には、帰省に「長距離の移動」という意味は含まれていない。「生まれ育った場所に帰ること、両親のいる場所に帰ること」が帰省なので、実家が同じ県内にある場合でも立派な帰省... -
随筆
「オレの話を聞け!」とは言えなかった歴史の先生の話
今はどうだか知らないが、僕が高校生の頃の必修科目に「世界史」があった。 日本史は選択科目だったのに、世界史だけが必修になっていたのである。 「日本史が必修の方がいいんじゃないかな? 日本の学校なんだし」と思わないでもなかったが、おそらくは「... -
随筆
クラス全員から笑われた、「進学したらやりたいこと」
小学校卒業を間近に控えた六年生の三学期、何かの授業で「中学生になったらやりたいことを発表しよう」ということになった。「そんなもの共有しあったところで何になるんだ」と思ったが、授業でやるというのだから仕方がない。 幸い、ネタには困らなかった... -
随筆
「自分より上か、下か」で、人を評価していた彼
今振り返ると実に奇妙な話なのだが、高校生の頃、一部の友人グループの間に「好きな女優や女性アイドルの名前を公言するのは恥ずかしい」という奇妙な空気があった。 好きな女性芸能人の名前を明らかにするくらい、何でもないと今なら思う。しかし、そこは... -
随筆
努力を怠れば、つながりは切れる
僕は昔から、孤独には強い。 学生時代にありがちな、クラス替えや進学のときの「友だちできるかな、できなかったらどうしよう」という心配も、一度もしたことがない。 できないならできないで、別に構わないと思っていたからである。 「友だちなんていなく... -
随筆
後回しによって放棄される、今を生きていることの「特権」【ポプテピピック】
何でも後回しにしがちなのが、僕の悪いところだ。 用事を頼まれても、大抵の場合すぐに手は付けない。期限が近づくまで意味もなく寝かせておいて、いよいよ尻に火が付き始めたな、と思った頃にようやく腰を上げるのが常となっている。 ふたを開けてみたら... -
随筆
彼女はいつも、昔の話ばかりしていた【キャプテン・アース】
「過去の作品との比較」というのを、ついしてしまうことがある。 同じ監督、同じ脚本家、同じ制作会社の作品、という場合などは特にそうだ。そのつもりがなくても、知らず知らずのうちに過去作と比べる目で見てしまっている。 『キャプテン・アース』とい... -
随筆
一分間スピーチを毎日やらされていた新入社員の彼【NEW GAME!】
『NEW GAME!』は高校を卒業してゲーム会社に就職した主人公の涼風青葉が、新入社員として働く日々を描いた物語である。キャラクター班に配属された青葉が、右も左もわからない状態から一歩ずつキャラクターデザイナーとして、そして社会人として歩み始める...
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