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家に帰って毎日泣いていた転校生と、彼を救ったクラスメイト
マンガやアニメや映画なんかを見ていると、時々「転校初日の転校生の席に、人だかりができる」みたいな場面が出てくる。 あれを見ると、いつも僕は「嘘くさい」と思ってしまう。 これまでに僕も数多の転校生を見てきたが、あんな場面を目撃したことは一度... -
そこはかとなく「帰省」に憧れていたあの頃
「帰省」と聞くと、何となく「長距離の移動」を思い浮かべてしまう。 でも実際には、帰省に「長距離の移動」という意味は含まれていない。「生まれ育った場所に帰ること、両親のいる場所に帰ること」が帰省なので、実家が同じ県内にある場合でも立派な帰省... -
「オレの話を聞け!」とは言えなかった歴史の先生の話
今はどうだか知らないが、僕が高校生の頃の必修科目に「世界史」があった。 日本史は選択科目だったのに、世界史だけが必修になっていたのである。 「日本史が必修の方がいいんじゃないかな? 日本の学校なんだし」と思わないでもなかったが、「日本史は小... -
クラス全員から笑われた、「進学したらやりたいこと」
小学校卒業を間近に控えた6年生の3学期、何かの授業で「中学生になったらやりたいことを発表しよう」ということになった。「そんなもの共有しあったところで何になるんだ」と思ったが、授業でやるというのだから仕方がない。 幸い、ネタには困らなかった。... -
「自分より上か、下か」で、人を評価していた彼
今振り返ると実に奇妙な話なのだが、高校生の頃、一部の友人グループの間に「好きな女優や女性アイドルの名前を公言するのは、何となく恥ずかしい」という奇妙な空気があった。 好きな女性芸能人の名前を明らかにするくらい、別に何でもないことだと今なら... -
努力を怠れば、つながりは切れる
僕は、孤独に強い。 と、自分では思っている。 その証拠に、学生時代にありがちな、クラス替えや進学時の「友だちできるかな、できなかったらどうしよう」という不安を一度も感じたことがない。 できないならできないで、別に構わないと思っていたからであ... -
後回しによって放棄される、今を生きていることの「特権」【ポプテピピック】
何でも後回しにしがちなのが、僕の悪いところだ。 用事を頼まれても、大抵の場合すぐに手は付けない。期限が近づくまで意味もなく寝かせておいて、いよいよ尻に火が付き始めたな、と思った頃にようやく腰を上げるのが常となっている。 ふたを開けてみたら... -
彼女はいつも、昔の話ばかりしていた【キャプテン・アース】
「過去の作品との比較」というのを、ついしてしまうことがある。 同じ監督、同じ脚本家、同じ制作会社の作品、という場合などは特にそうだ。そのつもりがなくても、知らず知らずのうちに過去作と比べる目で見てしまっている。 『キャプテン・アース』とい... -
一分間スピーチを毎日やらされていた新入社員の彼【NEW GAME!】
『NEW GAME!』は高校を卒業してゲーム会社に就職した主人公の涼風青葉が、新入社員として働く日々を描いた物語である。キャラクター班に配属された青葉が、右も左もわからない状態から一歩ずつキャラクターデザイナーとして、そして社会人として歩み始める... -
原作ありの作品は、原作を知らなければ正しい評価はできない?【ジョーカー・ゲーム】
録画した番組がたんまりたまっているHDDの中に、『ジョーカー・ゲーム』というアニメがあった。放送は2016年らしい。どんな理由で録画したのかは、例によってまったく覚えていない。9年も前の記憶など、真夏の昼間にアスファルトにできた水たまりと同じで... -
出世に興味がないけど、昇級試験は受けていた先輩【世界征服〜謀略のズヴィズダー〜】
『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』というアニメを見ていたら、こんなセリフが出てきた。 「世界はすっかりおかしくなっちゃった。こんな世界でもまだ欲しいの、ケイトちゃん?」 テレビの前で、僕は思わず目を剥いた。この作品が、世界征服を目論む秘密...
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