ぴりおだ(@perilog00)です。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』と言えば、スピンオフ、劇場版も制作されている人気作品ですね。
個人的にも好きな作品で、これまで見てきた400タイトル以上の中でも間違いなくベスト10に入ります。
この記事を書くために、久しぶりにもう1度見直してみたのですが、やっぱりおもしろかったです。
結末を知っていることで、初見とは違った楽しみ方ができました。
本記事では、そんな『コードギアス 反逆のルルーシュ』の感想を紹介します。
本記事は『コードギアス反逆のルルーシュ』のネタバレを含みます。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』をまだ見たことがない方は、こちらの紹介記事を先にご覧ください。

『コードギアス 反逆のルルーシュの感想』1:ルルーシュとスザクの物語
『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、やはりルルーシュとスザクの物語だったと思います。
神聖ブリタニア帝国に対して、
- 帝国の外から破壊
- 帝国内部から改革
と選んだ道はまったく違い、紆余曲折を散々経ましたが、最後の最後に「ゼロレクイエム」をやり遂げたのはこの二人でしたからね。
ただ、ルルーシュとスザクの共闘が実現したことは驚きでした。

予想外の展開を何度も見せてくれる作品ではあったものの、「ガンダム」におけるアムロとシャアのように、二人が相容れることはないままなのかなと思って見ていました。
「ユーフェミア殺害」という決定打
ルルーシュとスザク、二人の断絶が決定的になったのは、
- 第1期 STAGE22「血染めのユフィ」
- 第1期 STAGE23「せめて哀しみとともに」
で描かれたユーフェミアの死だったと思います。

ゼロがユーフェミアを殺害し、そのゼロの正体がルルーシュであることをスザクが知った時点で、二人の関係はもはや修復不可能なところまで悪化してしまったように見えました。
ルルーシュからすると、ユーフェミア殺害は彼自身の望みではなく、ギアスの暴走という制御不能な事態が理由だったと言いたくなるかもしれません。
でも、それまで散々ギアスの恩恵を受けてきたこともまた、事実ですからね。
スザクからすると、ギアスの暴走なんて知ったこっちゃないですし、暴走もギアスを使い続けたことによる副作用みたいなものなのですから、情状酌量の理由にはならないでしょう。
釣り合わないスザクへの怒り
一方のルルーシュも、第1期終局の「ブラックリベリオン」でスザクに捕えられ、ブリタニア皇帝シャルルの前に突き出されます。
そこで、
- シャルルのギアスによる記憶の改変
- 最愛の妹ナナリーを奪われる
という目に遭い、こちらはこちらでスザクへの怒りを募らせることになります。
ただ、「ユーフェミア殺害」と比較すると、どうしても弱いんですよね。
記憶は取り戻すことができますし、ナナリーも殺害されたわけではありません。
つまり、原状復帰が可能なんですね。
一方、殺害されたユーフェミアは、当然ですが生き返らせることができません。
ですから、スザクの怒りと憎しみの方が強く見えてしまいます。
互いに相手に怒りを覚え、憎しみを抱くスザクとルルーシュですが、その原因となった傷の深さには大きな差があります。
そのため、
「俺も悪かったけど、おまえだって俺にひどいことしたんだから、過去は水に流そう」
みたいな流れにするにはちょっと無理があるように感じました。
そのため、二人の共闘はないのだろうな、と思って見ていたのですが……
終盤にすごいのが待っていました。
「Cの世界」で秘密の共有

こじれにこじれたルルーシュとスザクの関係を一変させたのが、
- 第2期 TURN21「ラグナレクの接続」
で描かれた「Cの世界」におけるシャルル、マリアンヌとの対話でした。
「ナナリーが望む他人に優しくなれる世界を作る」ということで二人は一致し、共闘することになります。
ただ、ここはちょっと力業だったかなという印象を受けました。
というのも、「ラグナレクの接続」におけるシャルル、マリアンヌとの対話には少々難解なところがあるんですよね。
多分に観念的な内容になっていて、一度見ただけでは筋の通った話になっているかどうか掴みにくく、
「気が付いたら、ルルーシュとスザクが共闘することになっていた」
という感じが(少しですが)してしまいました。
しかし裏を返すと、
「Cの世界」という異空間で、「全人類を集合無意識にまとめる」という現実離れしたプランを本気で実行しようとしている黒幕的な存在と対決する
という、このくらいインパクトのある場面が背景にないと、ルルーシュとスザクの共闘は実現しなかったようにも思います。
TURN21「ラグナレクの接続」は、物語の謎を明かす、という意味で重要な回でしたが、ルルーシュとスザクの共闘を促す下地になる、という点でも大事な意味を持つ回になっていました。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』感想2:ルルーシュの修羅
- 第1期 STAGE12「キョウトからの使者」
において、旧知の桐原から「行くか。修羅の道を」と声を掛けられるルルーシュ。
「それが、我が運命ならば」と答えるわけですが、言葉に違わずこの後のルルーシュの歩む道は修羅そのものとなります。
目的を達成するためならどんな犠牲も厭わないという覚悟は、
- シャーリーの記憶消去
- ユーフェミアの殺害
といった行動などに表れていましたし、唯一の泣き所と言っていいナナリーも、最後は冷たく突き放していました。
これだけでも、なかなかすさまじい作品と言っていいと思います。
ルルーシュのダークヒーローぶりは、際立っていました。
しかしながらこれだけだと、『コードギアス 反逆のルルーシュ』という作品はただの腹をくくった主人公の話でしかありません。
本作がここからさらに高いところに到達しているのは、最後にルルーシュが自らの命をも捧げるからです。
ゼロの仮面をかぶったスザクに胸を貫かれ、ナナリーの前で息を引き取るルルーシュ。
このラストによって『コードギアス 反逆のルルーシュ』という作品は一気に昇華されますし、数多の生命を捨て駒のように扱ってきたルルーシュの罪も許されるのですね。
また、第1期STAGE1でルルーシュが口にした有名なセリフ「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」を、自らの身をもって実行してみせたということにもなります。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』感想3:対比構造
ルルーシュとスザク
『コードギアス 反逆のルルーシュ』の中には、いくつかの対比構造がありました。
わかりやすいのは、ルルーシュとスザクですね。
- 頭が非常に良い
- ナイトメアフレームの操縦は平均的
- 身体能力は低い
というルルーシュと、
- 突出した身体能力
- 飛び抜けたナイトメアフレームの操縦技術
- 智謀は平均的
というスザク。
能力としては、まったく真逆になっていました。
能力が真逆ということは、共闘時には相互補完的な関係が成立するということですから、この対比は2人がタッグを組むときの期待感に繋がっていたように思います。
スザクと似た特徴を持つキャラクターとしてカレンもいたのですが、彼女とルルーシュの関係は、
- 主と従
- (ルルーシュの)右腕
といった印象が強いものになっていました。
(ルルーシュとの関係というより、ゼロとの関係かもしれませんが)
そのため、ルルーシュとの対比にはならなかったように思います。
ルルーシュとシュナイゼル

ルルーシュと対比関係になっている人物は、スザクの他にもう1人、シュナイゼルもいました。
2人は、
- 智謀に長けている
- 目的のために犠牲をいとわない
という点で似てます。
ただ、「他者に対する態度」には大きな違いがありました。
フレイヤによる恐怖で人類を支配しようとしたシュナイゼルにあったのは「人間に対する失望」だったように思います。
争いをやめられない愚かな人間たちのために、自らが神となって平和を維持してやるしかない、というような傲慢さがシュナイゼルにはありました。
一方、ルルーシュには「明日を求める人々に対する希望」がありました。
ルルーシュは自分が支配者となって人間をコントロールするのではなく、平和のために自らの命を捧げ、その先の世界を人々に任せます。
人と人とも思わないシュナイゼルと、人に希望を託したルルーシュ。
人間に対する態度という面で、この2人も対比になっていました。
ランスロットと紅蓮弐式
対比とは少し違うのですが、ランスロットと紅蓮という2体のエース用ナイトメアフレームも示唆的だった、と思います。
この2体、カラーリングからも明らかなように、
- ランスロット → ガンダム
- 紅蓮 → シャア専用機
ですよね。
『ガンダム』とは逆で、
- 白い機体(ランスロット):敵側
- 赤い機体(紅蓮) :味方側
となっていたのは、初めは
ルルーシュがダークヒーローだから
かと思っていたのですが、最後まで見終わったときに、
最終的に立場が逆転する(ランスロットが味方側になる)から
だったとわかりました。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』感想:まとめ
本記事では、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の感想を紹介しました。
色々書きましたが、シンプルにおもしろかったです。
冒頭にも書いた通り、一度最後まで見たことがあっても楽しめました。
放送から既に15年以上経過していますが、今も人気があることに肯けます。
やっぱり、最後にルルーシュが自分を犠牲にするというところが大きかったんじゃないかと。
そこがこの作品を、高いところに押し上げているように思いました。
今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。