『ベルセルク』感想|「黄金時代」篇をどう補完する?

ぴりおだ(@perilog00)です。

アニメや漫画が好きなら、おそらく一度はその名前を聞いたことがあるであろう作品『ベルセルク』。

身の丈を越える大剣を振り回して戦う剣士」という、今ではしばしば見られるようになったキャラクターは、本作の主人公ガッツが元祖とも言われています。

有名、かつ人気作品というだけあって、何度かアニメ化もされています。

TVシリーズ
  • 剣風伝奇ベルセルク』(1997年)
  • ベルセルク』(2016~17年)
劇場版(三部作)
  • ベルセルク 黄金時代篇 I 覇王の卵』(2012年)
  • ベルセルク 黄金時代篇 II ドルドレイ攻略』(2012年)
  • ベルセルク 黄金時代篇 III 降臨』(2013年)

本記事では上記アニメ化作品のうち、2016年~17年にかけて分割2クールで放送された、TVシリーズ第2作に当たる『ベルセルク』の感想を紹介します。

本記事は『ベルセルク』のネタバレを含みます。

ベルセルク』をまだ見たことがないという方は、こちらの紹介記事を先にご覧ください。

『ベルセルク』感想1:原作を先に読んでおいた方が良い?

「黄金時代」篇がない

ベルセルク』を見て最初に感じたのは、

  • 原作を読んだことがあるかどうかで、随分印象が違うのではないか

ということです。

理由は、「黄金時代」篇が省略されていたから。

「黄金時代」篇というのは、グリフィスとの因縁につながるガッツの過去を描いた部分です。

原作では、実に3巻から14巻までを使って描かれているのですが、TVアニメ第2作に当たる本作ではほぼ丸々カットされており、

  • オープニング
  • フラッシュバックするガッツの記憶

といった部分に、断片的なイメージ映像が提示される程度に留まっていました。

この「黄金時代」篇は、『ベルセルク』という作品の分厚い背景になっています。

これがあることで、ガッツの

  • 復讐に燃えるすさまじい執念
  • グリフィスに対する激しい怒りと恨み

といった要素がぐっと引き立ってきますし、『ベルセルク』という作品自体も

  • 筋骨隆々の剣士が、巨大な怪物と戦うだけのバトル漫画以上の存在

になりえていると思うんですよね。

「黄金時代」篇がないと、このあたりがもう一つ伝わり切らないのではないかという気がしました。

原作を読んだことがあれば、アニメで描かれていない部分も補完ができるので、「黄金時代」篇が問題なかったとは思うのですが。

「黄金時代」篇カットの理由

これは推測でしかないのですが、「黄金時代」篇が重要であることは、おそらく制作サイドもわかっていたと思います。

それでもカットしたのは、

  1. TVアニメ第1作が「黄金時代」篇中心
  2. 劇場版三部作も「黄金時代」篇

と、既に二度に渡って映像化されていたからでしょう。

2クール24話という限られた枠の中に三度目の「黄金時代」篇を突っ込むよりも、他の部分に時間をかけた方がいいという判断があったのかもしれません。

原作を先に読んでおく

ただ、そうは言っても本作で初めて『ベルセルク』に触れるという方もいますよね。

そういう方は、あらかじめ原作で「黄金時代」篇を読んでおく、というのもありなのかもしれないと思いました。

14巻までが「黄金時代」篇なので、本作を見始める前にそこまでは読んでおく。

あるいは、先ほど挙げた、

  • TVアニメ第1作
  • 劇場版三部作

を見ておくのでもいいかもしれません。

そうして事前に「黄金時代」篇の知識を補っておく方が、TVアニメ第2作に当たる『ベルセルク』を十二分に楽しめるのではないかと思いました。

『ベルセルク』感想2:アニメならではの良さ

原作が人気作品だけに、物語の部分はどうしても原作に負うところが大きくなってしまう『ベルセルク』。

それでも、映像や演出に「アニメならではの良さ」はあったと思います。

その1つが、「CGを活用した独特のアングルとカメラワーク」。

CGを使った作品では定番とも言える部分ですが、特にバトルシーンで効果を発揮していたように感じました。

『ベルセルク』を映像化することの最大の意味は、やはり戦闘場面にありますからね。

「ドラゴンころし」の音

バトルシーンと言えばもう1つ、

  • 鉄と鉄がぶつかる「カン」という乾いた音

も良かったですね。

ガッツの振るう「ドラゴンころし」が、相手の武器や甲冑に激突したときによく使われていましたが、派手な音に脚色していない分、静かなリアリティを生んでいたと思います。

ガッツの戦い方はダイナミックで、その分映像も激しく、ときに凄惨なものにもなるだけに、地味な音との対比が印象的でした。

『ベルセルク』感想3:ガッツの名言

これはアニメというより原作の感想になるのかもしれないのですが、モズグス戦の後、ガッツがファルネーゼに怒鳴った

祈るな!!祈れば手が塞がる!!てめエが握ってるそれは何だ!?」

という言葉は、良かったです。

正直なところ、モズグスとの戦いはガッツにとって寄り道なんじゃないかと思って見ていました。

モズグスを倒しても、ガッツ本来の目的である「ゴッドハンドとなったグリフィスへの復讐」に繋がるとは思えなかったからです。

モズグスは使徒ではなく「使徒もどき」であり、その変化にゴッドハンドも関与していないですからね。

キャスカを救出するために避けて通れない戦いだったのは重々承知の上ですし、この先の展開に重要な意味を持つだろうことも想像はできたのですが、それがわかっていてもなお異質な印象は拭えませんでした。

が、そこで飛び出した「祈るな!!」の名言。

この言葉、ガッツの生き様を象徴していたように思います。

どんな困難に直面しても、神やそれに類した大きな力にすがるのではなく、自らの力だけで乗り越えていく。

まさに、ガッツの戦いそのものですね。

見ている我々にも勇気を与えてくれるような力強いこの一言が、モズグス戦に感じていたちょっとした違和感も吹き飛ばしてくれました。

『ベルセルク』感想:まとめ

本記事では、『ベルセルク』の感想を紹介しました。

一番に感じたのは、やはり「黄金時代」篇を知っているかどうかで印象が変わりそう、という点ですね。

原作なり、別のアニメ作品を見るなりして知識を得ているのが良さそうと感じました。

映像化の意義は、やはりバトルシーンにあったと思います。

1クール目は、特に力が入っていたと感じました。

今回は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

アニメとサッカーを見るのが好き。
累計視聴数は400本を超えていて、今も増え続けています。

作品を見て、感じたこと、考えたことを書いています。