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公開 | 2012-2016年 |
話数 | 全5話 |
制作 | サンライズ |
監督 | 赤根和樹 |
脚本 | 赤根和樹、浅川美也、大野木寛 |
3DCG | オレンジ |
キャスト | 入野自由、坂本真綾、日野聡、松岡禎丞 |
『コードギアス 亡国のアキト』は、タイトルからもわかるように『コードギアス 反逆のルルーシュ』のスピンオフ作品です。

『コードギアス 反逆のルルーシュ』と同じ時代を描いていて、時期としては1期と2期(『R2』)の間に当たります。
ただ、あまりそういう方はいないと思いますが、『反逆のルルーシュ』『亡国のアキト』どちらも未視聴の方が変に時間軸にこだわって、
1期→『亡国のアキト』→『R2』
というような順番で見ることはおすすめしないです。
『コードギアス 亡国のアキト』では、『R2』で明らかになったギアスの深い部分の知識を前提としている部分があるからでで、それなしで見てしまうとついていけなくなってしまうところがあるんですよね。
『R2』を見た後でもすぐに理解できないところがあったくらいなので、見ていなければなおさらだと思います。
時期が1期と『R2』の間であるといっても、『亡国のアキト』の舞台は『反逆のルルーシュ』ではあまり描かれなかった欧州で、『反逆のルルーシュ』に直接かかわる部分もほとんどないですからね。
素直に、
1期→『R2』→『亡国のアキト』
の順番で見るのがいいと思います。
というわけで、本記事では『コードギアス 亡国のアキト』の感想を綴っていきます。
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『コードギアス 亡国のアキト』感想1:バトルシーンが1番の見どころ
『コードギアス 亡国のアキト』で最も印象的だったのは、ナイトメアフレーム同士のバトルシーンです。
CGを使って描かれているため、激しく、スピード感のある場面でもナイトメアの動きがとてもなめらかで独特の迫力がありました。
このなめらかさには、アキトたちの搭乗機である「アレクサンダ」が、曲線的ですらりとしたフォルムを持っていたことも関係していたように思います。
女性的、と言ってもいいかもしれません。
見るからに身軽そうで、実際にその通りでもあり、四つ足形態の「インセクト・モード」を駆使しながらの戦い方には立体的なものも感じました。
「ナイトメアと言えば、直線的で武骨なフォルム」というのが『反逆のルルーシュ』を見たときの印象で、その戦い方もどちらかと言えば平面的だったように思うのですが、アレクサンダは違いましたね。
この他、インセクト・モード時の「素早く、その名の通り昆虫を思わせる不気味な動き」や、「目まぐるしく変わるアングル」で表現されるスピード感なども、CGならではだったと思います。
ナイトメアフレーム同士の戦いは『反逆のルルーシュ』でも魅力的でしたが、『亡国のアキト』ではまた違った印象を与えてくれました。
このバトルシーンを見るだけでも、『コードギアス 亡国のアキト』には見る価値があると個人的には思います。
『コードギアス 亡国のアキト』感想2:「世界」に対する態度
「薄味」のアキト
『コードギアス 亡国のアキト』で気になったのは、主人公日向アキトが少々「薄味」に見えてしまったことです。
「淡白」と言い換えてもいいかもしれません。
- 高いKMFの操縦技術
- シンとは腹違いの兄弟
- ギアスの影響を受けている
といった表面的な要素は当然わかるのですが、これだけが個性というのでは『コードギアス』の主人公としてはちょっと物足りなかったですね。
「世界」に対する態度の欠如
『コードギアス』という作品の最も特徴的な要素の一つが、
「世界」に対してどんな態度を取るか
だったと思っています。
『反逆のルルーシュ』では、ルルーシュとスザクがそれぞれ、
- 破壊と創造
- 内部からの改革
という明確な考えを持っており、この相容れない「世界」に対する態度の違いが、幼馴染である二人を対立させる要因にもなっていました。
一方、『亡国のアキト』におけるアキトやレイラ・マルカルからはそういった考えが見られませんでした。
彼らはあくまで組織の構成員であり、軍人として目の前の事態に対処はするが、軍そのものや、軍が属しているE.U.をどうこうしたい、とまでは考えていないのですね。
『コードギアス 亡国のアキト』は話数の少ないOVA作品であるため、そこまでスケールの大きな物語は描けなかった、という事情はあったのかもしれません。
(『反逆のルルーシュ』は、『R2』も含めると4クール50話の作品でしたからね)
それでも『コードギアス』の主人公とヒロインには、もう少し「世界」に対する態度が欲しかったですし、アキトに感じた物足りなさの一因もそこにあったようにも感じました。
月並みですが、「現状に対する強い不満」とか「内に秘めた大いなる野心」みたいなものがあれば、また少し違ったようにも思うんですけどね。
シンプルな善悪二元論
ただ、アキトやレイラになかったからといって、『亡国のアキト』に「『世界』に対する態度」がまったくなかったのかというと、そういうわけでもありませんでした。
「世界」に対する態度を持っている人物もいました。
それが、アキトの異母兄シン・ヒュウガ・シャイニングです。
シンには「『世界」に対する態度」がありました。
もっとも、その内容は「世界を屍で埋め尽くす」という正気の沙汰とは思えないものでしたけどね。
これはわかりやすく「絶対悪」なので、アキトたちの役割はほぼ自動的にこの狂気を阻止することに位置づけられました。
これによって出現したのが、シンプルな「善悪二元論」の構図です。
- アキトたち:「善」
- シン:「悪」
ただこうなってしまうと、アキトたちに自分たちの考えや主張は必要なくなるんですよね。
「悪」であるシンの行為に対するリアクションで、万事OKになってしまうわけですから。
そして、この「わかりやすく善」になってしまったことが、アキトの物足りなさの要因の一つになっているようにも思いました。
「世界」に対する態度は最後までなかったか
アキトとレイラには、「世界」に対する態度がなかったと紹介しました。
しかし、前言を覆すようですが、実はこの表現は正確ではありません。
というのも、彼らは最後に「世界」に対する態度を示しているからです。
軍での立場も家も捨てて、当てのない旅をしながら老婆や仲間たちを家族として生きる
という物語の結末が、まさにそれでした。
アキトたちは「世界」から距離を取る道を選んだのですね。
「『世界』を捨てた」とも言ってもいいのかもしれません。
「『世界』に対する態度こそが、コードギアス」と書きましたが、この結末を見て、やはり『亡国のアキト』も『コードギアス』だった、と感じることができました。
余談ですが、第3章で知り合った旅の老婆たちが、物語の最後でこのような役割を担うというのは予想外でした。
第3章でアキトたちと彼女らとの交流を見ていたときには、物語に蛇足的だとすら感じていたからです。
旅の老婆たちとの交流には「自らに与えられたギアスの存在を、レイラが思い出す」という重要な意味はありました。しかし実際には、「それを見せるために、やや強引に用意された場面」だと思っていました。
『コードギアス 亡国のアキト』感想:まとめ
『コードギアス 亡国のアキト』の1番の見どころは、やはりナイトメアフレームのバトルシーンです。
CGを使って描かれたアレクサンダの滑らかな動きや、目まぐるしいアングルの変化、スピード感は一見の価値があると思います。
『コードギアス』でありながら、ギアスがそれほど前面に出てきていないように感じるのは、
- シンのギアスは条件が複雑
- レイラのギアスは未覚醒
という事情があったからかもしれません。
アキトが初めからギアスの支配下にあったりと、設定も少し入り組んでいたように感じました。
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今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
