「積録」消化日記の3回目。
前回が『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』だったので、今回はその続きである『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』を見た。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! ←今回
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ‼
第1期の放送終了が2013年9月、『ツヴァイ!』の開始が2014年7月なので、10ヶ月後のブランクを置いて放送された第2期ということになる。
第1期との違いとして強く感じたのは、イリヤたちの「日常」がより多く描かれるようになっていたこと。それに合わせて、衛宮士郎たちイリヤの家族や、美遊以外のクラスメートたちの出番も多くなっていた。
これは偶然の産物とか物語の展開上やむなくとかではなくて、意図的にそうしていたように思う。最後まで見てみると、その考えは確信に近いものになる。魔術を使った非日常の場面も出てはくるのだが、それらも第1期のようにな異次元(鏡面界)をメインとするのではなく、日常の中での使用が中心となっていた。
あと、いわゆる「百合」や性的な描写も増えていた。こちらはファンサービス、ということになるのだろう。原典の『Fate stay/night』が元はアダルトゲームであったことを思えば、必然と言ってもいいのかもしれない。別になくても良かったと個人的には思っているが、そこは趣味の問題なので、あれこれ言うつもりはないです。
【1日目】第1話を見る
第2期第1話を見るにあたって最も気になったのは、「何をやるのかな?」だ。
魔法少女になったイリヤの目的は、「クラスカードの回収」だった。でもカードは第1期でコンプリートしてしまった。
イリヤたちにはもうやることがない。
仕事を失った会社員と同じである。ニート魔法少女だ。
ニート魔法少女の日常も、それはそれでおもしろいアニメになりそうな気がしないでもない。ただ、本作ではやらないだろう。そもそもイリヤは小学生だ。魔法少女がダメになっても、そっちでやっていく道が残っている。何ごとも、一つに依存し過ぎないことが大事だ。分散はリスク管理の基本である。
そんなわけで、小学生としてのイリヤの日常で第2期は始まった。が、もちろんそれだけで終わるはずもない。遠坂凛とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトは、依然としてイリヤたちの住む冬木市に滞在しているのだ。
いや、まあ、二人がいるから何だという話ではあるのだが、そうは言ってもやっぱりきっかけはこの二人からもたらされる。「何をやるのかな?」は結局よくわからなかったのだが、最後にとんでもない展開が待っていた。
なお、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトというのは、ルヴィアの本名だ。長い。
ちなみにイリヤもイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが本名で、こっちも負けないくらい長い。
【2日目】第2話から第5話まで見る
新キャラクターのクロを、「日常側」に取り込んでしまっているのがおもしろい。
クロ本人はどう考えても「日常側」の存在ではないんだけど、それをそのまま対極にある「魔術側」に置いたままにはしていない。イリヤの命を狙うような物騒な存在だったのに、早い段階で無力化して、日常に組み入れてしまってる。
クロ自身が積極的にそちらに踏み出していこうとしているのも、そうした状況に拍車をかけている。
クロの登場直後は、
「ああなるほど、わけのわからない彼女の正体を明らかにすることと、その過程で行われるバトルがこの作品でやることになるのね」
と思った。でもどうやら、これは早とちりだったようだ。
この発想だとクロが「魔術側」にいることが前提になる。でも実際には、そうではなかったのだ。実際のところ、バトルの頻発はなかったし、その代わりとして発生しているのが、クロが絡んで引き起こされる日常のドタバタだった。これがまたコミカルで良い。
良いんだけど、第2期がこの日常ドタバタコミカル路線で行くんだろうな、とも思えないのは、クロがどうしてイリヤの命を狙ったのかがはっきりしていないからでもある。この点はあんまりコミカルとは言えない。常に命を狙われているような状況が日常であるはずがないからだ。クロはイリヤと容姿がそっくりだから、ドッペルゲンガーみたいなことなんだろうか、と予想してみたりする。
新キャラクターと言えばもう一人、妙に存在感のある人物が登場。カレンという名で、イリヤたちの通う小学校の養護教諭をしている。緑茶に砂糖を投入して飲む、エキセントリックなキャラクターだ。
彼女もまた、『Fate』シリーズのどれかに登場しているのだろうか。『Fate/stay night』と『Fate/Zero』には出ていなかったと思うのだが、例によって記憶に自信がない。
あまりに覚えていないので過去のメモをひっくり返してみたところ、『stay night』も『Zero』も最後に見たのは10年以上前だった。
そりゃ記憶も薄れるはずである。
【3日目】第6話から第10話まで見る
クロの正体には予習が必要
この日はたまたま時間があったので、第6話から第10話までといつもより少し多めに見る。多め、と言っても5話分なので、見てる人からすると「普通」あるいは「少ない」と思われるかもしれないが、僕としては多い方なのだ。
前作同様、本作も全10話と短め作品なので、後半を一気に駆け抜けたことになる。
クロの正体、というか真実は明らかになった。
ただこれ、理解するにはある程度『Fate』の知識が必要になるんじゃないかと思う。最低でも『Fate/stay night』は見ておかないと、「何を言ってるんだ、お前は」になってしまうんじゃないだろうか。『stay night』だけでも足りているかどうか怪しい気がしているが、何度も書いている通り詳細な記憶は薄れてしまっているので、よくわからない。
まあ、2006年版の『Fate/stay night』と『Fate/Zero』しか見ていない僕が大体のところは理解できたので、その二つを見ておけば大丈夫だろうとは思う。『stay night』がもう1つの方([Unlimited Blade Works])だった場合はどうなのかは、見てないので知らない。でもまあ大丈夫なんじゃないかな、同じ『stay night』なんだし。多分。
誰なんだ、お前は
後半になってもまだ、新キャラクターは出てくる。バゼットという、男物のスーツを着た女性キャラクターだ。見覚えは、ない。でも何となく、彼女を見たときの遠坂凛のリアクションからすると、『Fate』のどれかで既に登場しているような感じだ。どれに登場していたのかはもちろんわからない。
このバゼットがまた、馬鹿みたいに強い。拳で語り合うシンプルな戦闘スタイルなんだけど、それだけに異常さが際立つ。何でも、素手で英霊との戦うことも可能なほどの戦闘力なのだそうだ。もはや人間じゃない。化け物である。
その上、「後から打ったのに、先に当てられるカウンター」を発動できる、スタンド能力みたいな宝具まで持っているのだから、もう手が付けられない。こんなの勝てるわけがない。
でもまあ、手が付けられない相手には手が付けられないなりの対応の仕方があるもので、「80パーセントくらいボール支配され、10倍以上のシュートは浴びたけど、アディショナルタイムに1点決めて何とかドローに持ち込んだサッカーの試合」みたいな形でうまいこと事態を収束させることはできていた。
何となく、もっとひどい結末を想像していたので、これならまあ良かったんじゃないでしょうか、というのが個人的な感想になる。
おわりに
クロの正体は判明し、バゼットも初めから目的も素性もはっきりしていたが、ただ一人、養護教諭のカレンだけは最後まで何だかよくわからないままだった。
見終わった後に「ピクシブ百科事典」で調べてみたのだが、バゼット、カレンともに『Fate/hollow ataraxia』という作品で先に出てきているようだ。ルヴィアと同じである。
『プリズマ☆イリヤ』シリーズは、『Fate/hollow ataraxia』からの出演が多いのだろうか。
クロの方は、本作オリジナルのキャラクターらしい。
彼女たちの本名はそれぞれ
- クロエ・フォン・アインツベルン
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- カレン・オルテンシア
とのことだった。カレンはともかく、上の二人はやはり、長い。