随筆– category –
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「自分より上か、下か」で、人を評価していた彼
今振り返ると実に奇妙な話なのだが、高校生の頃、一部の友人グループの間に「好きな女優や女性アイドルの名前を公言するのは、何となく恥ずかしい」という奇妙な空気があった。 好きな女性芸能人の名前を明らかにするくらい、別に何でもないことだと今なら... -
後回しによって放棄される、今を生きていることの「特権」【ポプテピピック】
何でも後回しにしがちなのが、僕の悪いところだ。 用事を頼まれても、大抵の場合すぐに手は付けない。期限が近づくまで意味もなく寝かせておいて、いよいよ尻に火が付き始めたな、と思った頃にようやく腰を上げるのが常となっている。 ふたを開けてみたら... -
彼女はいつも、昔の話ばかりしていた【キャプテン・アース】
「過去の作品との比較」というのを、ついしてしまうことがある。 同じ監督、同じ脚本家、同じ制作会社の作品、という場合などは特にそうだ。そのつもりがなくても、知らず知らずのうちに過去作と比べる目で見てしまっている。 『キャプテン・アース』とい... -
一分間スピーチを毎日やらされていた新入社員の彼【NEW GAME!】
『NEW GAME!』は高校を卒業してゲーム会社に就職した主人公の涼風青葉が、新入社員として働く日々を描いた物語である。キャラクター班に配属された青葉が、右も左もわからない状態から一歩ずつキャラクターデザイナーとして、そして社会人として歩み始める... -
原作ありの作品は、原作を知らなければ正しい評価はできない?【ジョーカー・ゲーム】
録画した番組がたんまりたまっているHDDの中に、『ジョーカー・ゲーム』というアニメがあった。放送は2016年らしい。どんな理由で録画したのかは、例によってまったく覚えていない。9年も前の記憶など、真夏の昼間にアスファルトにできた水たまりと同じで... -
出世に興味がないけど、昇級試験は受けていた先輩【世界征服〜謀略のズヴィズダー〜】
『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』というアニメを見ていたら、こんなセリフが出てきた。 「世界はすっかりおかしくなっちゃった。こんな世界でもまだ欲しいの、ケイトちゃん?」 テレビの前で、僕は思わず目を剥いた。この作品が、世界征服を目論む秘密... -
「慣れ」が人の感覚を作る【ブブキ・ブランキ】
世の中には、「パソコンよりスマホの方が、文章を書くツールとして使いやすい」という人がいるらしい。 まったく理解できない感覚である。どう考えたって、パソコンの方が使いやすい。画面はパソコンの方が大きいし、文字だってキーボードの方が入力しやす... -
「おもしろくない」ことを期待するという暴挙【RWBY Volume 1-3: The Beginning】
録画した作品がしこたまたまっているHDDの中に、奇妙なタイトルのアニメがあった。 『RWBY Volume 1-3: The Beginning』 「Volume 1-3」って何? と思って調べてみたところ、どうやらアメリカの会社が制作した『RWBY』というWEBアニメのシリーズがあるらし... -
友人の結婚式で出会った、一人ぼっちの人見知り【いなり、こんこん、恋いろは。】
人見知りは、実に厄介な性質である。 知っている人たちが相手なら、明るく楽しく、いくらでも話をすることができる。でも、そこにあまり仲良くない人や知らない人がやってくると、途端に委縮してしまう。顔が強張り、口数が極端に減り、モジモジと身を捩ら... -
「知らないことは恥」と本気で思っていたあの頃【ロードス島戦記】
前回も少し触れた、録画した作品がしこたまたまっているHDD。 その中に、『ロードス島戦記』があった。 録画自体は2013年放送のものだったが、制作時期はもっと古い。1990~91年にOVAで発売されているのが初出だから、録画した時期から遡っても20年以上前... -
失われた記憶を求めるためには、それなりの覚悟がいる【黒執事 Book of Circus】
ちょっと前に、『黒執事 Book of Circus』というアニメを見た。 この作品、人気シリーズ『黒執事』の第3期に当たる。第1期が『黒執事』で、第2期は『黒執事Ⅱ』だ。 ……別に間違ってはいない。『黒執事 Book of Circus』は確かに『黒執事』の第3期だ。wikipe...
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