ちょっと前に『BLACK LAGOON』を見直しました。OVAも含めて、全部。
やはり良いです。そして、そろそろ続編が見たい。
本作の場合、続編制作のハードルに「原作のストックがない」が挙げられることが多かったんですが、さすがにそれもたまってきた頃なんじゃないかと思います。何しろ最新作『Roberta’s Blood Trail』(OVA)の最終巻が発売されたの、2011年ですからね。13年以上経ってます。原作の方は昨年12月に最新13巻も発売されていますし、いけるんじゃないでしょうか? どうでしょう?
ということで、原作のストック状況から見る『BLACK LAGOON』の続編可能性について探ってみたいと思います。
続編が制作されるとしたら第4期
続編の話をする前に、これまで制作された『BLACK LAGOON』のアニメについて振り返っておきます。
『BLACK LAGOON』のアニメは、これまでテレビ2期、OVA1作品が制作されています。
- BLACK LAGOON
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第1期。2006年4月~6月放送。全12話。
- BLACK LAGOON The Second Barrage
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第2期。2006年10月~12月放送。全12話。
- BLACK LAGOON Roberta’s Blood Trail
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第3期。OVA。2010年7月~2011年6月発売。全5巻。
第1期と第2期の間は3ヶ月しかないので、「分割2クールだろ!」と突っ込みたくなるかもしれません。確かに現代なら、そういう扱いになっているでしょう。ただ00年代だとまだ、そういうやり方は一般的ありませんでした。なので、『The Second Barrage』は第2期です。OPとEDは第1期同じ、話数も第1期からの継続ですが、それでも分割2クールではありません。第2期なんです。
最新作は『Roberta’s Blood Trail』。こちらは第2期終了から3年半後の作品で、OVAです。第1巻のみ35分、以降は30分なので、テレビアニメだと6~7話相当になるでしょうか。これが事実上の第3期に当たり、その先は制作されていません。
すなわち、我々が待ち望んでいるのは第4期ということになります。もし制作されたら、シリーズ作品としては多い方になりますね。でもすごくレアかというと、そんなこともありません。『ゲゲゲの鬼太郎』なんて6期まで作られてますし、2000年以降に第1期が放送された作品でも、4期以上作られているものは十指に余ります。
最近でも、秋に『夏目友人帳』の7期放送が予定されていたり、『おそ松さん』の4期制作も発表されてますから、「4期は長過ぎるから無理だぜ!」ということはないはずです。条件さえそろえば、『BLACK LAGOON』4期の可能性は十分ある。あるはずです、きっと。
原作のストックはあるのか
では、本題に入りましょう。長い間、まことしやかに語られ続けていた一番の障壁が、これですね。
「原作のストックがないから、4期はまだ無理」。果たして今でもそうなのか。
2024年7月現在、『BLACK LAGOON』の原作は13巻まで発売されています。そのうちアニメ化されたのは9巻まで。4巻分の貯金があります。
十分いけるのでは? と言いたくなるところですが、事はそう単純ではありません。というのも『BLACK LAGOON』、実は単行本のページ数が一定じゃないんですよね。おまけ漫画等を除くと本編は180ページ前後が基本になっているんですが、巻によってはここから大きく上下にブレているものもあったりします。
多いところだと、9巻。これは262ページありました。通常の約1.5倍、大盛りです。一方、12巻と13巻は小盛りになっていて、150ページ未満でした。最大の9巻と最小の13巻との間には、実に128ページの差があります。これを誤差と強弁するのは、さすがに無理があるでしょう。
ということで、もう少し解像度を上げることにしました。ページ数を調べてみます。
シーズン | 総ページ数 |
---|---|
第1期 | 460 |
第2期 | 602 |
第3期 | 674 |
ひと目でわかるのは、アニメの話数と原作のページ数は必ずしも比例していないという点ですね。
比例していた場合、
3期>2期>1期
の順で話数が多くなるはずですが、実際には
1期=2期>3期
で、まったく一致していません。
この差の要因に、アニメオリジナルの部分がどれだけ追加されているか、という点はもちろんあるでしょう。第1期には、ターミネーター張りのロベルタとのカーチェイスなんかも追加されていました。
ただ、それ以上に大きいのは、原作のエピソード数なんじゃないかと思っています。エピソード数だとこんな感じで、ページ数と順番が逆になっていました。
シーズン | 原作エピソード数 |
---|---|
第1期 | 6 |
第2期 | 3 |
第3期 | 1 |
第1期の6エピソードの中には、「Chace for ring-dong ships」や「Calm down,two men」のように短めで、アニメでも1話に収まってしまう話も含まれています。ただ、それらを除いたとしてもまだ、第2期、第3期より多いんですよね。
ここから見えてくるのは、「ページ数が少なめでもエピソードが多ければ何とかなる」という事実。そしてまた、裏を返すとそれは「ページ数が多くても、エピソードが少ないとテレビシリーズは難しい」ということになるのかもしれません。
第3期はまさにそれですね。ページ数は一番多いですが、エピソードは1つだけです。
では、アニメ化されていない10巻~13巻はどうなっているのか。
こうなっていました。
シーズン | ページ | エピソード |
---|---|---|
未アニメ化 | 666 | 4 |
第1期から第3期までのページ数とエピソード数も、もう一度載せておきます。
シーズン | ページ | エピソード |
---|---|---|
第1期 | 460 | 6 |
第2期 | 602 | 3 |
第3期 | 674 | 1 |
何か行けそうに見えますね。ページ数、エピソード数、ともに第2期より多いですし。
ただ、4つあるエピソードのうち2つは短編なんですよね。先ほど挙げた第1期の「Chace for ring-dong ships」や「Calm down,two men」と同じか、それより短いくらいです。実質的には2エピソード+αなので、テレビ1クールやるにはちょっと厳しいのかもしれません。中以上のエピソードがもう1つあれば確実だと思うんですけどね。
というわけで、続編をテレビシリーズで見たいなら、まだおあずけは続きそうです。
第3期のようなOVA形式なら、問題ないでしょう。1エピソードで行けてますしね。ただ、その場合も昨今のご時世をを考えると、ビデオパッケージでの販売ではなく、NetFlixあたりの独占配信になりそうな気がします。まあそれでも制作されないよりはいいんですが、個人的にはテレビシリーズ作ってほしいです。待てというなら、待ちますので。
まとめ
というわけで、2024年7月現在の原作ストック状況だと、
- OVA形式ならいける
- テレビはできればもう1エピソードほしい
という感じでした。
貯金は十分、と思っていたんですが、もう少し待つ必要がありそうです。
あと、もし続編作るとなった場合、制作会社は第3期までと同じマッドハウスにやってほしいですね。制作会社が変わると作品の雰囲気が変わってしまうことが多いのはもちろんですが、ブランクが長いと同じ制作会社でも「なんか違う」になってしまうことありますからね。
その点マッドハウスは、前作から18年のブランクを経て制作された『カードキャプターさくら クリアカード編』を違和感のない作品に仕上げてくれていたので、大丈夫なんじゃないかと勝手に思ってます。