ぴりおだ(@perilog00)です。
今回は、2003年に放送されたアニメ『LAST EXILE』の続編、『LAST EXILE-銀翼のファム-』を紹介します。

放送期間 | 2011年10月-2012年3月 |
話数 | 全23話(本編21話+総集編2話) |
制作 | GONZO |
監督 | 千明孝一 |
シリーズ構成 | 吉村清子 |
キャスト | 豊崎愛生、悠木 碧、茅野愛衣、沢城みゆき |
配信 | U-NEXT(初回無料あり)など |
『LAST EXILE』は個人的に好きな作品で、何度か見直してもいます。
それだけに、続編の『LAST EXILE-銀翼のファム-』にも大きな期待を抱いていました。
ただ、作品の印象は前作『LAST EXILE』とは随分違ったものになっていましたね。
そのあたりも合わせて、ご紹介していきます。
『LAST EXILE』をまだ見ていない、という方は、そちらを先に視聴することをおすすめします。
『LAST EXILE』を見ていなくても『銀翼のファム』を楽しむことはできますが、『LAST EXILE』を見た後の方がぐっと楽しめるからです。

記事の中でも紹介していますが、『LAST EXILE』もU-NEXTなどで配信されています。
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※本記事の情報は、2021年12月12日時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』って、どんな物語?
※前作『LAST EXILE』のネタバレを含んでいます。
前作『LAST EXILE』から2年後の世界
『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、前作『LAST EXILE』の2年後を描いた物語です。
舞台は、『LAST EXILE』の登場人物たちの母なる星。
エグザイルによる母星への帰還は始まっており、『LAST EXILE』の登場人物たちも既に移住が済んでいます。
ただ、この星の中には複数の国家が存在しており、国家間には対立関係も存在しているのですね。
その中心にいるのが、強大な軍事力を背景に、周辺諸国への侵略を続けるアデス連邦です。
「帰還民によって奪われた大地を取り戻す」というのがアデス連邦の掲げる大義であり、既にいくつかの国家はアデスによって滅ぼされてしまっています。
このアデス連邦と、帰還民国家であるトゥラン王国との戦いに主人公ファムが首を突っ込むところから、物語は始まります。
「空族」のファム
『LAST EXILE-銀翼のファム-』の主人公ファムは、空族の少女です。
「空族」という聞き慣れない単語について、公式HPは次のように説明しています。
【空族】
既存政府の支配を快く思わない者たちや、自国を失った者たちなどが集まって独自勢力となった存在。空中戦艦の限界高度以上の外壁に守られた高地に居住している。土地が大規模農業に適さないため、主にアデス連邦の空中戦艦を捕獲し、丸ごとあるいはパーツを転売することで生計を立てている。中には、ヴァンシップを使った物流や情報産業等に従事している者もいる。合言葉は「翼に風を!」および「追い風を祈る!」。自由な空と平和を愛している。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』公式HP
物語を追い掛ける上で重要なのは、真ん中あたりにある
「空中戦艦を捕獲し、丸ごとあるいはパーツを転売することで生計を立てている」
という部分で、空族は戦艦を捕獲することを生業とし、その技術も持っているのですね。
ファムと、その相棒でありヴェスパ(ヴァンシップよりさらに小型の飛空艇)のナビでもあるジゼルは、アデスと交戦中のトゥラン艦隊の旗艦ラサスに狙いを定めます。
そのことがきっかけで、トゥランの王女たちと知り合い、第二王女ミリアに協力するようになります。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』の感想・レビュー
前作『LAST EXILE』とは対照的な明るさ
『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、前作『LAST EXILE』とは少し雰囲気の違う作品になっています。
ものすごく大雑把に言ってしまうと、『LAST EXILE-銀翼のファム-』の方が全体的に明るいです。
明るい、というのは登場人物たちの性格もそうですし、視覚的な意味も含みます。
『LAST EXILE』というと、
- 作品全体に漂う、落ち着いた雰囲気
- 間接照明で照らされたような暗めの画面
といった要素が印象的だったのですが、『LAST EXILE-銀翼のファム-』からはそういった部分が感じられません。
空は青く、画面は陽光に照らされたように明るく、登場人物たちは活発でよく喋ります。
ヴェスパやヴァンシップで空を飛び、空中戦艦同士の戦いが発生し、主人公が「争いのない、自由な空」を求めるところは、確かに「LAST EXILE」です。
ディーオを始めとした、前作の主要なキャラクターたちも登場します。
ただ、前作の印象をそのまま継続してくれているかというと、そこは少し違っているのですね。
それが悪いというわけではないです。
ただ、前作『LAST EXILE』と同じものを『LAST EXILE-銀翼のファム-』にも求めると肩透かしを食った気分になる、というのも事実だったりします。
全体の動きはわかりやすい
前作『LAST EXILE』では、クラウスとラヴィを中心に、アルヴィス、タチアナ、アレックス、ソフィア、ディーオといった登場人物たちに焦点が合っていました。
登場人物たちを、一歩深く踏み込んで描いていたと思います。
一方、続編である『LAST EXILE-銀翼のファム-』では、もっと視点を高くした、大局的な話が多くなっています。
政治的、と言い換えてもいいかもしれません。
そのため、物語の背景や、全体の動きは前作よりもわかりやすくなっていました。
反面、登場人物たちの描き込みというと少々浅く、定型的になってしまったきらいはあります。
しかし、少なくとも「この人たちは、今一体何をしてるんだっけ?」というような迷子になる心配はない作品だと思います。
「絶対的な悪」の不在
前作『LAST EXILE』で異質な輝きを放っていたのが、絶対的な悪であるマエストロ・デルフィーネの存在でした。
ギルドの独裁者として、世界を自分の好きなように扱うわがままな彼女の存在が、作品に怪しい魅力を与えていたのですね。
続編である『LAST EXILE-銀翼のファム-』には、残念ながらデルフィーネ並の存在感を持った悪役は登場しません。
アデス連邦総統ルスキニアという敵役は存在するのですが、デルフィーネと比べるとどうしても物足りない。
行為だけ見れば、ルスキニアというのもなかなかの人物ではあります。
アデスの侵略は彼の指示の下に行われていますし、相手を屈服させるためなら都市1つをまるごと壊滅させることも辞さない男ですからね。
ただし、ルスキニアの行動には、過去のつらい経験をきっかけとしたある信念が根底にあります。
それがあることによって、ルスキニアという人物が理解しやすくなってはいます。
しかし一方で、そのことがかえって彼を「普通の存在」にしてしまっているようにも思えるんですよね。
デルフィーネには、理由なんてなかったですからね。
ギルドの独裁者という、圧倒的な権力を背景に、
- ほしいから、奪う
- 気に入らないから、潰す
というしたい放題でした。
でも、その「理由のなさ」が「絶対的な悪」として彼女に他を圧する存在感を与えていたと思いますし、『LAST EXILE』という作品のある種の魅力にもつながっていたと思います。
その意味で、続編である『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、「本質的には良い人ばかりの作品」とも言えるのかもしれません。

前作の登場人物たちも出演
『LAST EXILE-銀翼のファム-』では、前作『LAST EXILE』の登場人物たちの出演もあります。
ディーオは1話から登場しますし、それ以外の登場人物たちも立場が変わったり、あまり変わっていなかったりで出てきます。
前作からのファンが最も気になるのは、前作の主人公クラウスと、相棒のラヴィの登場があるかどうかかでしょう。
これについてはぜひ、自分の目で確かめていただければと思います。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、U-NEXTなどで配信があります。
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『LAST EXILE-砂時計の住人-』
『LAST EXILE』と『LAST EXILE-銀翼のファム-』には、この2作品をつなぐエピソードとして、『LAST EXILE-砂時計の住人-』という漫画があります。
作画を担当しているのは、『LAST EXILE』のキャラクターデザインを担当したムラオミノル。
この作品を読まないことで『LAST EXILE-銀翼のファム-』の視聴に支障が出る、ということはないのですが、『LAST EXILE』シリーズが好きなら手に取って損はないと思います。
全2巻と短いので、すぐに読み終えることができます。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』まとめ
本記事では、『LAST EXILE-銀翼のファム-』について紹介しました。
『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、2003年に放送された『LAST EXILE』の続編にあたる作品で、前作から2年後の世界を描いています。
全体的に明るさを感じる作品になっているため、前作とは少し違った印象を受けるかもしれません。
ヴァンシップや空中戦艦といった要素は継続しており、前作の主要登場人物たちも登場します。
『LAST EXILE』『LAST EXILE-銀翼のファム-』は、どちらもU-NEXTなどで配信があります。
気になった方は、ぜひ見てみてください。
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今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。