【サッカー】背番号とポジションの関係を徹底解説。国による違いも?

ぴりおだ(@perilog00)です。

サッカーの背番号って、ポジションと関係あるのかな?  野球だと、1番はピッチャーだったりするけど……


今回は、こんな疑問にお答えします。

なお、先に結論をお伝えすると、

  • 現代では、背番号とポジションに結びつきはない
  • ポジションごとの大まかな番号帯は存在する
  • 番号が示すポジションは、国ごとに違いあり

となります。

詳しく、見ていきます。

サッカーにおける背番号とポジションの関係

ポジションを番号で表すことはある

ピッチャーは1番、キャッチャーなら2番というように、守備位置を番号(数字)で表すことがある野球。

サッカーでも同じように、ポジションを番号(数字)で表すこと自体はあります。

よく知られているのは「9番」ですね。

野球ではレフトの守備位置を指すこの番号、サッカーでは「センターフォワード」を指すときに使われます。

2000年代に入って登場した新しい戦術に「偽9番」というものが存在するくらいで、「9番=センターフォワード」というのは一般的です。

ただ、実は番号だけで特定できるポジションは、サッカーではあまり多くありません。

背番号とポジションは、現代では一致しない

他の多くのスポーツと同じように、サッカーでも背番号は基本的に選手と結びついています。

そのため、ポジションが表す番号と選手の背番号が必ず一致するとは限りません。

また、ポジションと背番号を一致させなければならない、というルールも一部を除いてありません。

何を言っているかというと、センターフォワードだからといって、必ずしも背番号9を付けて出場しなければならないわけではないということです。

Jリーグでは、背番号は次のように規定されています。

(2) 選手番号は、0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとする。12以降はポジションと無関係とし、50までは欠番を認める。ただし、51からは連番で番号をつけることとし、欠番は認めない。

Jリーグ規約・規定集 ユニフォーム要綱」より

ポジションが指定されている背番号は、ゴールキーパーの1番だけ

それ以外については、特に指定がありません。

各ポジションに割り振られた番号は?

背番号とポジションが必ずしも一致していない、現代サッカー。

しかし、番号が示す大まかなポジションは存在しています。

具体的には、次の通り。

背番号とポジションの関係
  • 1番:GK
  • 2~6番:DF
  • 4~10番:MF
  • 9~11番:FW

GK以外はざっくりとしてるなあ。一部重なっている番号もあるみたいだし。もっとはっきりと決まらないのかな?

残念ながらサッカーでは、一部を除いて番号だけでポジションを一意に決めることはできません。

というのも、同じフォーメーションを採用している場合でも、国ごとにポジションに振られた番号に微妙に違いがあるからです。

次で、その具体例について紹介します。

具体例:イングランドとブラジルの4-4-2

4-4-2を採用した場合の、イングランドとブラジルのポジションを表す番号は次の通り。

イングランドとブラジルの4-4-2

同じポジションでも番号が違うことが、わかりますよね。

この状態で「3番の選手」と言ったとき、

  • イングランドでは左サイドバック
  • ブラジルでは左センターバック

と異なる選手を指すことになってしまいます。

このため、サッカーでは番号だけで厳密にポジションを特定することができません。

フォーメーションの変化と背番号

同じフォーメーションなのに、違う番号…… どうしてそんなことになってるんだろう? 全部同じにしておけばよかったんじゃないの?

そこには、「国ごとにサッカーのフォーメーションが違う歴史を辿ってきた」という事情が存在しています。

イングランドとブラジルを例として、そのあたりの事情を見ていきましょう

番号とポジションの原点はVフォーメーション

サッカーで背番号が導入されたのは、20世紀初頭のことです。

当時、世界ではVフォーメーション(2-3-5)という選手の配置が主流でした。

Vフォーメーション

そこでこのフォーメーションを基本として、上の図のようにゴールキーパーから前に行くにしたがって数字が大きくなるように、背番号は設定されました。

イングランドのケース1:WMフォーメーション(3-2-2-3)の登場

1930年代になると、イングランドではVフォーメーションに代わってWMフォーメーション(3-2-2-3)という選手の配置が主流となります。

これは、Vフォーメーションのときの選手配置が、次のように変化したものでした。

イングランド:VフォーメーションからWMフォーメーションへの変化
  1. 5番の選手が一列下がる
  2. 2番と3番の選手が左右に開く
  3. 8番と10番の選手が一列下がる

この結果、WMフォーメーションにおける各ポジションの番号は、次のようになりました。

WMフォーメーション


WMフォーメーションはイングランドだけでなく、ヨーロッパ中に広がっていきます。

イングランドのケース2:WMフォーメーションから4-3-3へ

1960年代になると、イングランドではWMフォーメーションからさらに発展した、4-3-3という選手の配置が採用されるようになっていきました。

これは、WMフォーメーションが次のように変化したものでした。

イングランド:WMから4-3-3への変化
  1. 6番の選手が一列下がり、2番、3番、5番の選手と4バックを形成
  2. 6番の選手が下がって空いたスペースは、4番の選手が中央にポジションを移すことで埋める

この結果、イングランドの4-3-3-は以下のような番号配置となりました。

イングランド:4-3-3の選手配置

イングランドのケース3:4-3-3から4-4-2へ

4-3-3の後にようやく登場するのが、4-4-2です。

4-3-3からの変化は、次の通り。

イングランド:4-3-3から4-4-2への変化

これまでより矢印が多く複雑に見えるかもしれませんが、要は、

  1. 10番がポジションを一つ上げ、9番と2トップを組む
  2. 11番と7番がポジションを下げ、4番、8番とともに中盤で4人のラインを形成する

ということです。

Vフォーメーション → WMフォーメーション → 4-3-3という変化を経ることで、最終的にイングランドの4-4-2は、次のような番号配置となりました。

イングランド:4-4-2

ブラジルのケース1:Vフォーメーションから4-2-4へ

一方ブラジルは、イングランドとは違った経緯を辿って4-4-2へと辿り着きます。

その大きな特徴は、WMフォーメーションを経験していないこと。

ブラジルでVフォーメーションの次に登場したのは、4-2-4という形でした。

Vフォーメーションからの変化は、次の通り。

ブラジル:Vフォーメーションから4-2-4へ
  1. 4番と6番が、2番と3番の両脇に下がり4バックを形成
  2. 手薄になった二列目に、8番が下がる
  3. 2番と4番が位置を入れ替える

この結果、4-2-4は次のような配置となりました。

ブラジル:4-2-4

ブラジルはこのフォーメーションで、1958年のワールドカップを制しています。

ブラジルのケース2:4-2-4から4-3-3へ

4-2-4に続いてブラジルで登場したのは、4-3-3でした。

イングランドでも登場した4-3-3ですが、ブラジルではWMフォーメーションを経ていないため、番号の並びが異なります。

ブラジルの4-3-3は、4-2-4から次のような変化を経て登場しました。

ブラジル:4-2-4から4-3-3へ
  1. 10番が一列下がる
  2. それに伴って5番と9番が中央寄りにポジションを移す

結果的にブラジルの4-3-3は、次のような形となります。

ブラジル:4-3-3


ブラジルは1958年に続いて、1962年のワールドカップも制していますが、そのときに採用されたのがこの4-3-3でした。

その後、この4-3-3が世界中に広まっていきます。

ブラジルのケース3:4-3-3から4-4-2へ

ブラジル:4-3-3から4-4-2へ

ブラジルにおける4-3-3から4-4-2への変化は、

  1. 7番の選手が一列下がる
  2. 10番、5番、8番の選手と並ぶ

という風に形成されました。

最終的な姿は、次の通り。

ブラジル:4-4-2

改めてイングランドと比較すると、すべての列で番号の組み合わせが異なっていることがわかります。

イングランドとブラジルの4-4-2

以上のように、辿ってきた歴史が異なるため、同じ4-4-2というフォーメーションであっても、番号の異なるポジションが存在するのです。

このため、すべてのポジションを番号で指定することはできません。

フォーメーションによっては、存在しないポジションもある

そうは言っても、すべてのポジションで番号が違っているわけじゃないよね? ブラジルとイングランドの4-4-2だって、2番と7番は共通してるわけだし……

確かに、ここまで取り上げてきたイングランドとブラジルの4-4-2では、

  • 右サイドバックが2番
  • 右サイドハーフが7番

であることが共通しています。

それなら、2番と7番はポジションを指定してしまってもよさそうに思えます。

しかし、実際にはそう単純ではありません。

というのも右サイドバックや右サイドハーフは、フォーメーションによっては存在しないポジションになってしまうからです。

例えば、DFの枚数を3枚にする3バックというフォーメーションを採用した場合。

このときは、左右のサイドバックが存在しません。

ここが守備位置の決まっている野球と違うところで、サッカーは採用するフォーメーション次第で、存在しないポジションが出現してしまうのです。

GKとCFは番号で特定可能

どのフォーメーションでも間違いなく存在しているポジションと言えば、ゴールキーパー(GK)。

あとはセンターフォワード(CF)くらいでしょう。

そのためこの2つのポジションについては、

  • 1番=ゴールキーパー
  • 9番=センターフォワード

と、番号によって限定することが可能です。

しかし、それ以外のポジションについては難しい。

そのため各ポジションを番号で限定しようとしても、次のようなざっくりとした分け方をするのが精一杯、ということになってしまいます。

背番号とポジションの関係
  • 1番:GK
  • 2~6番:DF
  • 4~10番:MF
  • 9~11番:FW

※センターフォワードもFWなので、9番をFWに入れています。

背番号とポジションの関係:まとめ

元々はポジションと密接に結びついていた背番号ですが、現代ではほとんど関係がありません。

背番号だけでポジションがわかるのは、1番を付けているGKくらいですね。

1番から11番までの番号がどこのポジションに当たるのか知りたい場合は、大体の感覚として、「番号が小さい方がGKに近い」と覚えておけばよいと思います。

あくまで「大体」なので、例外は存在しますけどね。

今回は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

アニメとサッカーを見るのが好き。
累計視聴数は400本を超えていて、今も増え続けています。

作品を見て、感じたこと、考えたことを書いています。