『ばらかもん』感想・レビュー|島(五島列島)の暮らしが解放につながる

ぴりおだ(@perilog00)です。

今回は、2014年に日本テレビなどで放送された『ばらかもん』を紹介します。

放送期間2014年7月-9月
話数全12話
制作キネマシトラス
監督橘正紀
原作ヨシノサツキ(ガンガンONLINE等)
キャスト小野大輔、原涼子、古木のぞみ、大久保瑠美
配信 Hulu(初回無料あり)など

ばらかもん』は、ヨシノサツキの同名漫画を原作とするアニメ作品です。

2014年7月から9月に、日本テレビほかで放送されました。

主人公は、若手書道家の半田清舟。

ある受賞パーティーで書道界の重鎮を殴ってしまい、それがきっかけで清舟は都会を離れ、自然豊かな島で暮らすことになる、というところから物語は始まります。

書道家が主人公と聞いて、「硬い話」を想像する方もいるかもしれません。

でも実際は、真逆です。

元気でおおらかな島の住民たちに、都会育ち、かつ書道一筋で生きてきた清舟が振り回されまくるというコメディでした。

島での生活を中心に描かれているので、こじんまりとしてはいるのですが、見終わった後の感覚は悪くないです。

心が和みます。

日々の生活に疲れたときに見ると、良いかもしれません。

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※本記事の情報は、2021年12月21日時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

『ばらかもん』の感想・レビュー

挫折からの復活

ばらかもん』は、ざっくり説明すると、

挫折を味わった人間が、それまでと違った環境に飛び込むことで成長し、復活を遂げる物語

です。

「それまでと違った環境」というのは、作品によって旅だったり、山ごもりだったりするのですが、『ばらかもん』の場合、「主人公半田清舟が暮らすことになる日本西端の島(五島列島)」がそれに当たります。

島の暮らしや住民たちとの交流を通して、清舟は人として成長し、書道家として新たな境地に達するわけです。

ただ、こうした全体的なストーリーの部分は『ばらかもん』にとってそれほど重要ではありません。

ばらかもん』の魅力は、「清舟が体験する島の暮らしや住民たちとの交流」の方にあるからです。

島での生活による「解放」

ばらかもん』のキーワードは、「解放」です。

正確には「半田清舟の解放」で、知らず知らずのうちに凝り固まっていた彼の書道に対する思考や信念を解き放つことが、物語の隠された目的となっています。

作品の主な舞台となる「自然あふれる島」は、そのために用意された舞台と言っていいでしょう。

自然の中で、人は解放(開放)的になりますからね。

清舟が暮らす島の借家」も同じです。

島の子どもたちが頻繁に出入りするこちらも、やはり解放(開放)的な場所です。

言ってしまえば島での清舟は、「解放(開放)的な島における、解放(開放)的な家」という入れ子構造の中で暮らしていることになります。

子どもたちとの交流

島の住民たちの中で、最も多く清舟との交流が描かれているのは、

  • 琴石なる
  • 久保田陽菜

といった小学生や、

  • 山村美和
  • 新井珠子

といった中学生たちです。

要するに、島の子どもたちですね。

清舟は、若いとはいえ成人した大人ですから、大人の住民たちとの交流が中心になってもいいはずです。

しかし、実際に描かれているのは子どもとの交流です。一緒に遊ぶこともあれば、振り回されるようなこともあります。

ただ、「清舟の解放」を描くという意味では、むしろこちらの方が効果的です。

というのも、大人よりも束縛の少ない(あるいは、ない)子どもたちは、解放(開放)的な存在の代表のようなものだからです。

なるや陽菜のような小学生(一年生)は、特にそうですね。

自然あふれる島で、「大人の常識」に捕らわれることのない子どもたちと日々を過ごすことによって清舟は解放され、書道に対する凝り固まった信念すら変えていきます。

そうした変化の過程が、『ばらかもん』では丁寧に描かれています。

方言の魅力

登場人物の多くが方言を使う作品には、独特の魅力がありますよね。

同じ長崎を舞台にした『坂道のアポロン』もそうでしたが、『ばらかもん』もまた方言が印象的な作品となっています。

(『坂道のアポロン』は佐世保弁なので、『ばらかもん』とは違いますが)

タイトルの『ばらかもん』が既に、「元気者」を意味する五島列島の方言ですし、サブタイトルも一部を除いて、方言が使用されています。

山村美和役の古木のぞみさんが五島列島出身で、方言監修も担当しており、出演者の中に他にも五島出身の方がいるとのことなので、ある程度のクオリティは保たれているのだろうと思います。

(五島列島出身か在住の方が聞くと、違和感があるのかもしれませんが……)

なお、主人公の半田清舟は東京出身のため、当たり前ですが方言は使いません。

この点も、『坂道のアポロン』と同じです。

『ばらかもん』まとめ

本記事では、2014年に放送された『ばらかもん』を紹介しました。

ばらかもん』は、ある出来事をきっかけに五島列島の島で暮らすことになった若手書道家半田清舟を主人公とする物語です。

描かれているのは、半田清舟の「解放(開放)」であり、それに大きく寄与しているのが島の自然と子どもたちとの交流。

そして、五島列島の方言が魅力的な作品でもあります。

ばらかもん』は、Huluなどで配信があります。

気になった方は、チェックしてみてください。

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今回は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

アニメとサッカーを見るのが好き。
累計視聴数は400本を超えていて、今も増え続けています。

作品を見て、感じたこと、考えたことを書いています。